かけだし外資コンサルタントの日記

かけだしのコンサルが偉くなるまでの(まずはシニアマネージャ)日々の教訓等をブログに残します

コンサル流無茶な仕事の振られ方

今日はコンサルならではなのかわからないが、無茶な仕事の振られ方について話したいと思う。 いやそんなの普通だろと思われる方もいるかもしれないが、そんなあなたは外資のコンサルでも余裕で業務に馴染める人に違いない。

本題に入る前に一般的に無茶振りだろこら!って思ってしまうのはどんなものか考えてみよう。 例えばテレビドラマの会社でよく意地悪な先輩や上司にいびられている主人公が遭遇しそうなこんなシーン。

ボス:机の上にドンっと100枚近い書類をたたきつけ、 「辻くん、この資料について明日の役員会議で纏めた結果を急に報告しなきゃならなくなってさ。悪いんだけど、全部グラフ化して纏めといて?じゃ、あとは任せたから」

辻くん:「え、え、なんて」

ってキョどってる間に、周りの同僚たちはみんな颯爽と飲みに行ってしまう。みたいな光景だろうか。 これは無茶振りとは言えないか、イジメか。でも、みんなだいたいこんなような事を想像したに違いない。だが私の思う無茶振りはそういうのとは少し違う。上の例はどちらかといえば、力仕事を丸投げされちゃったみたいなことだろう。あいうえおって明日までに10,000回紙に書いといてみたいなことだ。今から話すのはそれとは違う。

私がコンサル会社に入社してまず洗礼を受けたのはこれから話す無茶振りな仕事というやつだった。細かい内容はかけないが、私の職歴を知っている上で、自分が全くの関わったことのない分野に関するレポートを今度プレゼンするから分析してその資料全部作っといてみたいな依頼を受けたのだった。私はその言葉を聞いた瞬間言葉を失いかけたが、表には出さずにえーえー、これこれこういう感じで纏めておけばいいですかね?ち、ちなみに期限はいつまでですか?と確認した。 うんそんなんそんなん、それで明日の昼明けくらいに見せてとりあえず。でも顔は超真顔みたいな感じだ。 ほほー、この無知の俺にしかもゲキ短納期タスクをふるんだな、さては俺のこと試してるのか、そんなことされても俺はびびらねーぞ、タイマンはちょーつえーんだ、なめんじゃねーぞと全力でやってやろうと思ったが、とりあえずその日は気を失いかけるほどのプレッシャーがのしかかってきたので、現実逃避してすぐ帰った。

しかし、私が天才だったこともあり、翌日にざっと作ったアウトプットの出来がおそらく想定していたレベルをかなりうわまったようで、べた褒めされ、かなりの信頼関係をいきなり築くことができた。 とりあえず奇跡的に九死に一生を得たわけだが、フィードバックを貰うまではいきなり下手こいて干されて首になったらどうしよう、だってコンサルのアウトプットへのこだわりは半端じゃないんだぞみたいな恐怖がずっと駆け巡っていた。

私の場合は前職でプリセールスを兼務したりもしたので、提案書もよく書いていたし、金融機関向けのがっちがちの資料なんかとよく格闘してたので、それが役にたったようだ。その点では前職でしばきあげてくれた(お世話になった)キチガイみたいな先輩に感謝した。その時は本当にその人の顔が浮かんできた。なにやっても文句言ってきやがってクソがって当時はいつも思っていた事を思い出す。それがまた正論だったりするからこれまた厄介みたいなやつだ。おかげで人の作った資料にケチをつけるのはとても得意になった。

話を本題に戻そう。 私は運良く褒められてあーよかったで終わらせたりはしない。今後どうしていけばいいのかよく考えてみることにした。そもそもなんでそんな無茶な仕事を私に振ってきたのか。しかも最初の話はほんの一例でそこから幾度となく無茶な仕事ばかり振ってきた。さらに相手も無茶だとあきらかにわかっているように私には見えた。彼は私を試しているわけではないのではないか。だって試すだけなら1、2回やればわかるだろ(だから1番最初はそういう意図はだったと思われる) もしも振った仕事が期待値に達しなかったら、最悪の場合納期ぎりぎりで自分でやり直すことになり、最初から自分でやればよかったと後悔するだろうし、さらにいえば振られた人も相当嫌な気持ちになりやる気なくすので、lose-loseな状態になるわけだ。 いくら厳しい外資コンサルでもそんなリスクのあることをやり続けるだろうか。 なぜだ?色々考えた。正解かはわからないが導き出した答えはこうだ。 これがきっとコンサル流の仕事の進め方なんだ。多少無茶させといて下手こかれたら、自分のスーパーハイパフォーマンスをもって挽回させるつもりで無茶な依頼を投げまくる。この会社にいる時点でそう変な奴はいないはずだ。それくらいやらないと自分が回らなくて過労死するみたいことなんだろう。きっと。 他の偉い方々の仕事の進め方がこうなのかどうかは定かではないけどな。普通ではないことは確かだ。

で、何が言いたいかというと、ピンチはチャンスとかいつも言ってた友人がいたことを思い出した。よく考えて欲しい。この言葉で今までの話を置き換えるとなんてチャンスだらけの会社なんだ、普通の会社にいたのでは体現できないようなものすごい数のチャンスが転がってると考えることができる。しかも入社後いきなりだ。

普通ならある程度成果残してこいつならまあ無理させてもいけるかもしれないという状態にならないと無茶な仕事は振らないだろう。厳しい世の中でそういうところにしかビッグウェーブはない。こつこつ真面目に公務員のように働いてても陽の目をみないひともいる。なぜなら無茶なことをやっていないからだ。周りに着実な人しかいなかったら、そのせいで自分も埋もれてしまうかもしれない。やれて当たり前のことだけ確実にやっていても評価されない、それはいいすぎた、評価されなくはない、まあ良いねとか普通だねくらいだ。尖ってないんだ。

だからコンサル会社ではすこーんと登り棒のぼるくらい直角に上にあがれるだけの土壌があるということになる。ここにいてやり続けていたら自分はどこまでも伸びることができる、そう思った。ただし、ミスは許されないというとんでもないリスクも抱えている。その前に心が折れる可能性もある。

それにこういう環境だからプライドの高い人も多いし、優秀な人も多い。そいつらをかき分けて尖らないといけないから並大抵のことをしていたんでは駄目だろうきっと。 どうやったら出し抜けることが出来るかそんなことばかりが頭をよぎる。受験の時のような気持ちみたいだ、周りの奴らに負けない、でも上には上がいることはわかっている。自分はどこまでいけるだろうか、それはそれで楽しみでもある。

全然関係ないけどこの前孫正義さんがどんだけすごい人かみたいなテレビがあったので録画してみていたのだが、やはりあの人は凄まじい。偉人だ。個人資産が兆いってるしな。

ということで書いていて結局何が言いたかったかのかもわからなくなってきたが、とりあえず努力だけでどこまで上り詰められるか、、頑張ってみようと思う。

無茶振りにも技術が必要なんだな。